もろろん

いろんな界隈にいます

びゃくぐん

白群色(びゃくぐんいろ)…日本画の絵の具の色。群青の顔料の粒子を非常に細かくした白っぽい色のこと。

 

私の好きなアイドルがグループを卒業した。

メンバーカラーは水色。
出合いは秋が片足を出てきた頃の方南町
歌って踊っているうちにライブハウスの中からすっーと消えて無くなってしまうような儚い印象だった。
水色というより白に近い、白が集まって水色に見える白群色っぽい人だな〜と感じていた。
エモーショナル溢れる歌詞の楽曲にとても惹かれライブを最後まで見ることにした。(結局カバー曲だったのだが…)
足を運んだライブでは『物販』と呼ばれるチェキを撮りながらアイドルとお話ができる時間がある。ライブがすごく好きだったことを伝えようと向かうと儚い印象とは程遠い、よく喋る快活な人だった。
何故、ライブ中あそこまで消え入りそうな雰囲気を出せるのかまったく分からなくなったがそのギャップがたまらなく興味をそそられたので軽率に所謂推す事にした。私はこういうのにきっと弱い。

私は、ふらふらと現場に現れ10〜20枚しかチェキを取らずまた数ヵ月後にまたひょっこり現れる脱力系のファンをしていた。月に約20回程あるライブの中の1回に突然現れるのだ。
本当にたまに来るよく分からないヤツだったと思う。
でも、よく分からないヤツなりにいつ行っても推しとお話をすると変わらず安心して実家の風呂に浸かっているような気持ちになれた。

 

推しを推していた期間は2年ほどしかないが様々なことがあったような気がする。
浴衣を着た撮影会や制服もあったかな?野外のライブでオムライスを食べたり、ハロウィンでコスプレをしたりとにかくたくさんの思い出がある。
特に、ライブが開催できないコロナ禍は何も無いようで何かあった。

私は普段所謂オタクネーム(本名とは違うニックネームみたいなもの)で友人達に呼ばれいる。もちろん、推しもその名前を知っている。
コロナ禍に事務所から発売された動画メッセージを購入した。それはアイドルが自分だけの為に20秒程の動画メッセージが届く。いつ届くかな〜と毎日楽しみに待っていた。いざ、届き再生すると、「○○ちゃ〜ん✋」と名乗ったことの無い本名で呼ばれたのだ。一年以上推してきてまさかの本名プレイ?!と驚いた。後から説明を読むと完全なる私の入力ミスでこうなってしまったのが分かったのだが、とっても明るく笑顔の絶えない推しが借りてきた猫のように縮こまってメッセージをくれる姿が面白くて仕方なかった。
知らない人に20秒も動画メッセージを考えるのは大変だっただろうな〜と考えたら愛おしさが増したのだった。

 

物販中、なんの中身もないくだらない事やライブが楽しくてたまらなかった事たくさんのお話をした。事細かに全て覚えているわけでは無いが、チェキを撮っているあの時間はしあわせな記憶だ。
地上アイドルのファンをしている友人に、距離が近すぎて泥沼化しないの?と言われるが、泥沼化というより距離が近いからこそ親近感が湧いて、もっと沢山の人に私の知っている推しの素敵なところを知って欲しいと思うしもっとライブも見て応援したいという活力になる。

 

ライブも笑顔で歌って汗だくで踊っている姿を見るとこっちまでニコニコになってしまう。自分のファンを見つけて所謂ファンサというものをしている姿を見ると自分にされている訳では無いのにウキウキしてしまう。今熱烈に応援されているアイドルが目の前にいるという事実に胸が踊ってしまうものなんだなと感じた。コロナ禍になってから声出しというものは出来なくなったが曲に合わせて、その場にいるファンの歓声としてあがる「ガチ恋口上」と呼ばれるものは圧巻である。私は、ガチ恋では無いがそれを言うのは楽しいしファンの声が揃った口上を聞きたいので早く声出しをのびのび出来るライブになるといいな〜と思っている。
推しは毎ライブファンサをしている瞬間を見られるし、私がアルバイトで遅れて会場入りした時も「急に入ってくるからビックリした!」と話してくれた。歌って踊っているのに視野が広すぎてこっちが驚いた。やっぱりアイドルは…いや推しはすごい。

稀に推し被り問題での嫌な出来事はあったが、そんな事自分の中でぎゅっと出来てしまうくらい推しのライブや推しとの時間は夢の時間だった。

 

そう推しは麻薬なのである。今日も楽しかった⇒またすぐ会いたいライブがみたい⇒現場に行って楽しいの繰り返し。見る麻薬と友人とよく話していたが、本当にそうなのだ。

 

卒業前に、Zeppお台場でのワンマンライブがあった。足を踏み入れると会場が大きすぎてとても胸がドキドキした。大きなステージで歌う推しは可愛いとかカッコイイを通り越して美しいなと感じた。そうなんだか綺麗なのだ。大学のゼミで少人数の中で発表するだけでもとても緊張してしまうのに、沢山の人の前でパフォーマンスをする推しがなんだか誇らしかった。 1番に「推しに出会えて幸せだし、この人を応援していてよかったな」という感想が出てきた。最後に本当に素敵なものを見せてもらった。

 

数日前、2021⇒2022のカウントダウンライブにて推しは卒業をした。

これで私のメンズ地下アイドルのファンも終わりだ。

2019年の秋から2022年冬までおおのくんを応援できて幸せでした!いつも私の夢や目標を必ず肯定して応援してくれて嬉しかった。おおのくんのこれからを応援しています。

ありがとう!大好きです!またね!

 

〜2022.1.4〜

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